医療教育部は筑波大学附属病院・茨城県小児地域医療教育ステーションとして、茨城県の小児医療の拡充および小児科新専門医制度への対応を含めた小児科専門研修・小児科医師教育の充実を目的として活動している。
構成員
| 小林 千恵 | 2016-7-1 | ~ | 2025-3-31 | (筑波大学医学医療系小児内科・准教授兼任) |
| 林 立申 | 2022-4-1 | ~ | 現在 | (筑波大学医学医療系小児内科・准教授兼任) |
| 野澤 大輔 | 2024-4-1 | ~ | 現在 | (筑波大学医学医療系小児内科・講師兼任) |
| 鈴木 涼子 | 2024-6-1 | ~ | 現在 | (筑波大学医学医療系小児内科・講師兼任) |
業務活動
診療・教育業務
構成員4名はそれぞれ小児科学における専門分野を持ち(小林、鈴木、小児血液腫瘍学;林、小児循環器病学;野澤、小児整形外科)、当院および筑波大学附属病院における診療業務に携わった(当院におけるこれらの診療活動については、各診療グループの報告を参照)。また、筑波大学医学群・医学類および大学院(人間総合科学研究科・疾患制御医学専攻)の教官を併任し、医学教育と大学院生の研究指導に当たった。
血液腫瘍領域(担当:小林)
当院では木曜午後に外来を行っている。小児総合診療科スタッフ、小児科専攻医のローテーターらと共に、腫瘍性・非腫瘍性血液疾患について、入院・外来化学療法および長期フォローアップを含めた診療を行っている。また、臨床遺伝専門医として、遺伝外来を開設し、不定期で遺伝カウンセリングを行った。
2016年度より、成人になった小児がんを経験した成人患者に対し、その晩期障害や合併症等の健康リスクを知ってもらい、早期からの定期的な受診を促すための情報連携システムの構築を継続している。過去に当院で血液腫瘍疾患の治療や造血細胞移植を受けた18歳以上の患者および家族を対象とした「こども病院 CCSの集い」はコロナウイルスの流行によりwebでの開催となっていたが、今後は現地開催とのhybridを定期的に行うよう準備している。また、成人したCCSに対し、治療サマリーの作成や健康リスクの教育を目的としたCCSフォローアップ外来を開設した。
緩和ケア委員会の委員長として、症状緩和に関する相談ならびに治療方針決定に関連した家族や医療スタッフのサポート、倫理的内容を含むコンサルトへの対応を行った。
日本骨髄バンクの調整医師として、非血縁者間骨髄移植または末梢血幹細胞移植実施のための、提供希望者への医学的な説明、適格性の確認を行っている。
緩和ケア講習会のファシリテーターとして、小児緩和ケア講習会(CLIC)へ参加し、緩和ケアの普及とネットワーク構築に尽力している。 茨城県がん診療連絡協議会の緩和医療推進部会、がんゲノム医療部会、相談支援部会、PDCA部会に参画し、県内の小児がん患者の診療体制充実を図っている。茨城県がん生殖医療ネットワークのメンバーとして、小児がん経験者に対して妊孕性温存に関する情報提供と診療機関との連携を行っている。
循環器領域(担当:林)
当院の小児循環器外来は月、火、水、木曜に開設し、小児循環器科のスタッフ4名(常勤3、非常勤1)、小児科専攻医のローテーターと共に、年間400例を超える初診患者に対応している。対象疾患としては、先天性心疾患がもっとも多く、不整脈や心筋疾患等が続く。心臓カテーテル検査は週2回(火曜日と金曜日)の体制で施行し、総数は約100件、そのうち3割程度がカテーテル治療である。そのほか、心エコー、胎児心エコー、ホルター心電図、トレッドミル運動負荷心電図、心臓MRI、心臓造影CT、核医学などの検査件数も増加している。胎児心エコー検査は隣接する茨城県総合周産期センター(水戸済生会総合病院内)と連携して行っている。重症な先天性心疾患の出生前診断により、母体搬送と出生直後からの対応が可能となるため、救命率の向上に大きく貢献している。
茨城県総合健診協会との連携により、小学1年、4年、中学1年、高校1年の学校心臓検診を行っている。一次検診の心電図判読数は年間約10、000件である。一次検診で抽出された有所見者に対して二次検診(診察、運動負荷心電図、心エコー等)を行っている。
研究については当院を拠点とし、筑波大学附属病院循環器内科、小児科と連携して遺伝性不整脈の小児患者に対して次世代シークエンサーを用いた遺伝子解析研究を行っている。茨城県の重症循環器疾患を持つ小児患者の多くは両施設に集約されており、遺伝子型と臨床症状との関連を明らかにすることで患者の予後予測や有効な管理法の樹立に役立つと考えられる。
野澤(小児整形外科領域)
当院の整形外科外来は、火曜午後、水曜午前、金曜午後に行っている。2019年度から手術加療も含めた整形外科診療の提供を水戸済生会病院のスタッフ、手術室の協力のもと開始した。整形外科救急および一部の入院・手術加療についてはこれまで同様だが、2024年8月から当院の手術室で選択的手術を開始し、定期的に行えるようになっている。
2016年度から学校検診における運動器検診が義務化され、二次検診の受け入れを行っている。 また、以前より乳児健診における股関節検診の二次検診の受け入れをおこなっているが、筑波大学附属病院および茨城福祉医療センターとともに、茨城県内の股関節検診体制の再構築を実施中である。
鈴木(小児血液腫瘍領域)
当院では水曜午前に外来を行っている。当院の小児総合診療科スタッフ、小児科専攻医(後期研修医)らと共に、腫瘍性・非腫瘍性血液疾患について、入院・外来化学療法を含めた診療、および多施設共同臨床研究の実施を行っている。緩和ケア委員会の委員として、症状緩和に関する相談ならびに治療方針決定に関連した家族や医療スタッフのサポート、倫理的内容を含むコンサルトへの対応を行っている。
茨城県がん生殖医療ネットワークのメンバーとして、小児がん経験者に対して妊孕性温存に関する情報提供と診療機関との連携を行っている。
筑波大学では金曜午後に外来を行っている。小児がん経験者に対し、晩期障害や合併症等の評価・治療および患者教育を行っている。
院内研修医教育・学術面
- 研修協力型病院として以下の研修基幹病院の小児科初期研修プログラム編成、運営に参加
茨城県立中央病院(1名)、筑波大学附属病院(4名)、国立病院機構水戸医療センター(3名)、水戸協同病院(2名)、水戸済生会総合病院(5名)、筑波記念病院(2名)の、延べ17名の初期研修医を受け入れた。 - 初期研修医・専攻医を対象としたレジデントレクチャーの運営
- ベッドサイドでの小児の診察法、心電図・心エコー読影、血液像の読み方等の指導
- 筑波大学医学群医学類生の実習受け入れ。5年生10名。
- 院内学術報告会の運営(年2回実施)
- こども病院若手小児科医師(専攻医を含む)の論文執筆指導、臨床研究の支援
- 茨城県の支援で当院に開設された小児医療・がん研究センターへの参加
(次世代シークエンサーを用いた小児期遺伝性不整脈の遺伝子解析を継続) - 大判プリンタによる学術集会等における発表用ポスター等の印刷支援
- 新生児蘇生法講習会の開催補助:専門コース2回(うち1回は茨城県立中央看護専門学校助産学科学生対象)、スキルアップコース4回
院内学術報告会受賞演題
| 開催日 | 賞 | 所属 | 発表者 | 演題 |
| 【第28回】 2024年 8月29日 | 最優秀賞 | 新生児科 | 梶川 大悟 | 早産児におけるsLOX-1と脳病変との関連 |
| オーディエンス賞 | 外科・泌尿器科 | 笈田 諭 | 胆道閉鎖症におけるshare wave elastographyとsuperb microvascular imagingの有用性 | |
| 【第29回】 2025年 1月31日 | 最優秀賞 | 小児循環器科 | 林 立申 | フォンタン術後小児患者における睡眠呼吸障害(SDB)に関する調査 |
| 優秀賞 | 新生児科 | 梶川 大悟 | 超早産児における胎児型ヘモグロビンと慢性肺疾患との関連 | |
| オーディエンス賞 | 小児血液腫瘍科 | 加藤 啓輔 | 新規に樹立された低2倍体B前駆細胞性急性リンパ性白血病細胞株の性状解析 |
第26回より、オーディエンス賞を開始した。これは、来場者全員に投票用紙を渡して一番よかったと思う演題に〇をつけてもらい、最も〇の多い発表を表彰する制度である。
院外活動等
小林千恵
- 日本骨髄バンク:調整医師
- 茨城県がん診療連携協議会:緩和ケア部会 研修推進分科会 相談支援部会 がんゲノム医療部会 PDCAサイクル部会 部会員、「いばらきのがんサポートブック」改訂編集協力委員
- 茨城県小児慢性特定疾病審査会:委員
- 水戸市小児慢性特定疾病審査:委員
林 立申
- 日本小児循環器学会:評議員
- 茨城小児循環器研究会:幹事
- 茨城県総合健診協会:県内児童・生徒の心臓病検診における一次検診の判読、及び二次健診における診察担当医師
鈴木涼子
- 茨城県小児慢性特定疾病審査会:委員
- 水戸市小児慢性特定疾病審査:委員
