小児アレルギー科

診療科の特色

小児アレルギー科は近年増加傾向にある小児のアレルギー疾患に対して、小児アレルギー専門の医師による診療しています。代表的な疾患としては下記のようなものがあります。

  1. 食物アレルギー
    食物アレルギー診療で大事なことは正しい診断に基づく必要最小限の除去です。食物アレルギーは血液検査や皮膚検査のみで正確な診断することはできません。実際に摂取して、症状が出現する食品・量のみを除去することで必要最小限の除去を実現することができます。そのために当院では、食物経口負荷試験を行っています。食物経口負荷試験とは、病院内において、医師・看護師の管理下のもとで、アレルギーが疑われる食品を摂取し、アレルギー症状が出現するかどうかを確認する試験です。摂取可能なことを確認できた量を自宅でも摂取します。病院内で摂取することで、アレルギー症状が出現しても、迅速に対応することができます。また、アレルギー診療の経験が豊富な栄養士による栄養指導を行うことで、実際にどの加工品をどの程度摂取できるのかというところまでお話しします。さらに、アナフィラキシーを起こす可能性がある場合にはアドレナリン自己注射薬(エピペン®)の使い方を指導し、処方しています。
    保育園や学校などに訪問し、アナフィラキシーに対する対応の相談に乗ったり、食物アレルギーを持つ子ども達の家族に対する勉強会なども行っています。
  2. アトピー性皮膚炎
    アトピー性皮膚炎とは良くなったり、悪くなったりを繰り返すかゆみを伴う湿疹を生じる病気です。治療の3本柱として、スキンケア、ステロイド外用薬の塗布、環境を整えることが大切とされています。スキンケアの指導を行い、正しいステロイド外用薬の塗布を行ってもらい、ダニ対策など、環境を整える方法を指導しています。
  3. 気管支喘息
    気管支喘息の治療として、発作時の治療はもちろん大切ですが、それ以上に、いかに発作を起こさないかが大切です。正しい診断に基づき、必要な子ども達には吸入ステロイド薬による治療も導入し、吸入指導を行っています。また、重症な喘息発作を繰り返す子どもたちには注射による治療も導入しています。
  4. アレルギー性鼻炎
    アレルギー性鼻炎の低年齢化が進んでおり、幼児期から感冒時以外の鼻水、くしゃみなどを認めることも増えてきています。正しい診断のもとで、抗ヒスタミン薬、ステロイド点鼻薬、舌下免疫療法、注射薬などの導入を行っています。

小児アレルギー診療については隣接する水戸済生会総合病院と協力して診療に当たっています。水戸済生会総合病院で行っている実際の小児アレルギー診療ついては、以下のリンクをご参照ください。

https://www.mito-saiseikai.jp/department/pediatrics

また、小児アレルギーに関する知識をブログで情報発信しておりますので、興味のある方はぜひご覧ください。

https://www.mito-saiseikai.jp/blog?blog_department=pediatrics