リハビリテーション科

こどものリハビリテーションとは

機能の「再獲得」だけでなく、新たに「習得」や「学習」をするという特徴があります。ハンディキャップの有無にかかわらず、こども達はみな遊びに対して純粋でとても強い気持ちを持っています。私たちリハビリテーション科は、遊びを通じて「習得」や「学習」を行うことが出来るように、また、その気持ちに全力でこたえられるように、お医者さんや看護師さん達と一丸となり、こども達とご家族の笑顔のために支援をさせて頂いています。

茨城県指定小児リハ・ステーション事業について

当院は平成27年度から、茨城県指定小児リハ・ステーション事業に加盟しています。

この事業は、茨城県内の小児リハビリテーションの推進・普及を図るため、障がいのある児童や生徒をとりまく関係者が、協議・情報共有を図り、患児の生活改善を行うことを目的としている活動です。

その活動の中で、小児リハビリテーション関係機関及び、関係者・家族によるネットワーク作りの一環として、当院では年1回程度、地域の医療機関や、学校教諭、患者家族へ向け、講習会を開催しています。

【過去の実績】
平成27年度
「長野県立こども病院におけるNICU発達評価・支援の取り組み」
平成28年度
「障がいのとらえ方と在宅医療~小児リハビリテーションの立場から」
平成29年度
「日頃から取り組める重症心身障がい児(者)への支援~実際の症例を通して」
平成30年度
「発達が気になる子どもたちへの支援」

スタッフの紹介

リハビリテーション医兼リハビリテーション科長(兼務)
小池 和俊
リハビリテーション医
清水 如代
理学療法士(PT)
塩田 逸人
稲川 恵
小松 加代子
鳥居 美穂乃
田代 夢未
作業療法士(OT)
瀧澤 みなみ
木村 亮
菊池 結衣
言語聴覚士(ST)
富岡 明子
石堀 芙柚

リハビリテーション診察時間

リハ前診察の時間
平日午前平日午後
9時00分13時00分
9時30分13時30分
10時00分14時00分
10時30分14時30分
11時00分15時00分
11時30分15時30分
16時00分
外来リハビリテーションの時間
平日午前平日午後
9時30分13時30分
10時00分14時00分
10時30分14時30分
11時00分15時00分
11時30分15時30分
16時00分
リハビリ前診察
午前小池小池小池小池小池
午後小池
(急患)
小池
(急患)
小池
(急患)
小池
(急患)
小池
(急患)

リハビリ前の体調チェックは予約時間の10分前までに受付を済ませていただく様にご協力をお願いいたします。

理学療法(PT:Physical Therapy)

私たちは「運動機能」という側面から、患者さんの人生を考え、その人らしく生きるためのお手伝いをさせて頂いています。

発達支援
こども達は、苦手な部分や未熟な部分など様々な理由があると得意な動きで補おうとするため、結果的に運動機能の獲得が遅れてしまうことや、正常でない運動を誤学習しまうことがあります。理学療法では、関わり方や遊びを通して「正しい身体の使い方」を促したり(練習したり)、ご家族に伝達しています。
運動障害への理学療法
運動や動作を困難にする原因の予防や機能の維持改善をはかります。
また、環境整備(補装具の作成)などによって生活を豊かなものにするためのお手伝いもしています。
周術期の理学療法
手術前から出現が予測される二次的障害の予防や改善を目標に早期離床やADL(日常生活活動)の拡大を図ります。
呼吸理学療法
肺炎や無気肺(肺の一部に空気が入らない状態)等の呼吸障害時に、呼吸状態の改善や痰を排出するお手伝いをしています。
二分脊椎外来
脳神経外科や小児外科、WOC(皮膚・排泄ケア認定)看護師等と協力して、一人の患者さんを包括的に支援しています。
ガンのリハビリテーション
治療が長期間になるため、廃用症候群(主に体を動かさないことが原因で起こる機能の低下)の予防に努めています。

作業療法(OT:Occupational Therapy)

作業療法は、お子さんそれぞれの発達段階に合わせて遊びや創作活動を用いて感覚、運動、認知、社会性などの発達を促していきます。また、家庭や保育、学校生活での環境調整の工夫や関わり方を提案していきます。

認知機能・学習の支援
就園・就学前には発達段階に応じて興味の幅を広げる、因果関係を理解するなどの認知機能の向上を図ります。集団生活が始まってからは着席行動や注意集中、板書、読み書きに対して基礎的な練習を含めて援助します。
日常生活動作の支援
食事や着替え、排泄、入浴、整容など日常で行う身の回りの動作練習やそこに必要となる基礎の能力を伸ばします。
感覚機能の支援
感情を表出する・目を合わせるなど対人への意識を高めること、目的的に身体をつかう経験を積み、適切に感覚刺激を処理することを促していきます。また、感覚運動遊びを通して、身体をイメージする力を高め、粗大・巧緻動作のぎこちなさに対して援助します。
心理・精神面の支援
創作活動や体を動かす遊びを通して、自己肯定感を高め、情緒の安定や対人面を広げることに繋げます。
高次脳機能の支援
注意機能、記憶、遂行機能、視覚認知機能、社会的行動などを評価し、日常生活や社会生活に向けて援助します。

言語聴覚療法(ST:Speech -Therapist )

ことばの遅れやコミュニケーションの問題、発音がはっきりしない、食べる・飲むことに問題のある子どもに対し評価・訓練を行っています。経管栄養の方への嚥下評価や経口摂取開始の食事支援・指導、遊びを通しての認知機能向上、机上訓練での言語発達支援などを行っています。また、家族が日常生活の中でよりよい関わりができるよう家族支援も行っています。

摂食嚥下支援
むせてしまう、食べる量が増えない、好き嫌いが激しい、歯ブラシを嫌がるなどの相談に対してリハビリを行います。お口の機能評価や適切な食べさせ方や食事形態、口腔ケア方法などを支援していきます。
言語発達支援
ことばを理解すること、ことばを話すこと、コミュニケーションをとることの3側面に対して支援をしていきます。
発音練習
ことばがはっきりしない、聞き取りにくいなどに対して、お口の運動機能を高める体操、正しい発話方法などを練習していきます。発音は言語発達との関わりが大きいためお子さんの状態を評価し、言語発達支援と合わせて行うこともあります。