新生児科(2022年度)

診療体制

常勤医師新井 順一(院長)、雪竹 義也、梶川 大悟、鎌倉 妙、星野 雄介、日向 彩子、淵野 玲奈
専攻医佐藤 良滉、山田 浩史、今川 有香、堀 舜也、石山 ゆり

実績、臨床指標・統計(カッコ内は前年度の数)

  1. 病床数:2022年度は、看護師の減少に伴い、NICU18床、GCU12床またはNICU15床、GCU18床と変則的に運用した。
  2. 入院患者数:新生児病棟への入院は 299名と前年(352)より53名減少した(図1)。体重別にみると、1000g未満が29 (15)名、1000-1500g未満が23 (31)名と、入院数は減少したが、超低出生体重児は前年度の約2倍に増加しており、極低出生体重児の入院数は変わらなかった(表1、図2)。小児循環器科患者 17 (9)名、小児外科患者 6 (12)名、小児脳神経外科患者 1 (3)名であった。
  3. 住所が県北からの入院数は、62 (70)名で前年度に続き減少した。出生場所はブロック内では水戸市が230名、ひたちなか市が37名、笠間市8名、日立市9名、高萩市7名であった。県央・県北ブロック以外からの入院は、つくば市2名、境町1名、筑西市2名、土浦市1名、福島県より2名の入院があった。ブロック内で入院できなかった例はなかった。水戸済生会総合病院(茨城県周産期センター)からの入院(院内出生)は 198 (220)名、そのうち母体搬送および外来紹介は172 (166)名であった。新生児用救急車でのお迎え搬送は23 (36)回であった。
  4. 主な治療は、人工呼吸器管理(ネーザルCPAPをのぞく)103 (97)名、低体温療法 2 (3)名、一酸化窒素吸入療法 7 (7)名、動脈管閉鎖術 8 (1)名、抗VEGF治療 6 (3)名であった。

総括

2022年度に勤務した新生児科スタッフは、合計常勤6名であった。専攻医は常時2名であった。スタッフの療休と産休のため、筑波大学附属病院から当直の応援を月に2~6日依頼した。コロナ禍と少子化の影響か、入院数は減少し、極低出生体重児の入院数も昨年同様に少ないまま推移しているが、超低出生体重児は増加しており、もう少し長期の推移を観察したい。長期入院(1年以上)患者はおらず、180日以上の入院も4名と増加はなかった。

当院で行う水戸周産期カンファランスは、Zoomを利用したハイブリッド開催で行い、3か月毎に4回開催できた。近隣の産科医も参加しやすいため、今後もZoomを利用した開催を継続していきたい。

新生児蘇生講習会は、Aコースは3回、Sコースは院内で2回開催できた。

筑波大学附属病院小児科、日立総合病院小児科および茨城西南医療センター病院小児科とのWEBカンファランスは毎月第4月曜日、交互に症例検討会、勉強会などを開催しており、今後も継続していきたい。

(新生児部長 雪竹 義也)

表1 2022年度の体重別入院数
出生体重(g)入院数
~4994
500~99925
1000~149923
1500~199959
2000~249966
2500~122
合計299
図1 入院数、院内出生数、母体搬送数の年度別変化(10年間)
図2 出生体重別入院数の年度別変化(10年間)