心臓の問題

アントラサイクリン系の抗がん剤は、小児がん治療ではとても重要な薬ですが、副作用として心臓の筋肉へのダメージがあります。心筋へのダメージは薬の投与量が増えるにしたがって増加すると言われていますが、年少児(とくに女児)では同じ量でも強く影響がでることが知られています。通常の治療では、心筋へのダメージが問題となることは少ないのですが、再発治療を受けている場合や、胸部への放射線治療を併用している場合は注意が必要です。

造血細胞移植を受けた患者さんは、高血圧や高脂血症などの生活習慣病を合併しやすく、心筋梗塞などの心血管系の合併症のリスクが高いと言われています。生活習慣病にならないよう、悪化させないような管理が大切です。

こんな人は要注意です

  • 白血病で再発治療を受けた
  • 縦隔の腫瘍で、心臓にかかる部位へ放射線治療を受けた
  • 健診で心電図異常を指摘された

こんな症状に注意

  • 動悸や息切れ
  • 運動したときの息切れが以前よりも強くなった
  • 胸が痛くなる

専門の診療科は?

  • 循環器内科・外科

気を付けることは?

  • 高血圧や高脂血症を指摘されている人は、食事療法・薬物療法についてかかりつけ医に相談しましょう。
  • 適度な運動は生活習慣病を改善させる効果はありますが、リスクの高い人はかかりつけ医と相談して運動メニューを作成してもらいましょう。
  • リスクの高い人は、定期的に健診を受けましょう。