妊孕性

妊孕性(にんようせい)というのは、あかちゃんを授かる可能性があるかどうかということです。

抗がん剤治療や放射線治療を受けると、精巣(睾丸)や卵巣の機能が低下して、男性ホルモン・女性ホルモンが作れなくなることがあります。また、男性ホルモン・女性ホルモンが足りないと不妊になるというだけでなく、ホルモン欠乏によるからだの症状が出ることもあります。男性の場合、男性ホルモン(テストステロン)不足により体のだるさやイライラしたり、うつ状態になったりすることがありますし、女性ホルモンの不足は骨量の減少を引き起こし、骨粗鬆症・病的骨折のリスクにつながります。

結婚を考えるパートナーがいるという場合だけでなく、このような症状がある場合には、ホルモン欠乏症の可能性を考えて検査を受けてみてはいかがでしょうか?

結婚出産されている、もしくは考える相手がいて、こどもを授かりたいと考えている場合には、不妊治療専門のクリニックを受診されることで解決策が得られることがあるかもしれません。パートナーとよく話し合ってみてください。また、どこを受診したら良いかわからないという場合にはご相談ください。

こんな人は要注意です

  • 造血細胞移植の前処置で放射線照射やブスルファンを使用している
  • イフォマイドやエンドキサンといったアルキル化剤と言われる薬を使用している
  • 腹部の腫瘍で卵巣や精巣に放射線照射を受けている

こんな症状に注意

男性の場合
性欲の減退や勃起不全、射精困難、乏精子症(精子の数が少ない)または無精子症による男性不妊、からだのだるさ、イライラ、気分がすっきりしないなど(男性更年期障害といわれます)
女性の場合
無月経や月経不順、月経困難(生理痛がひどい、出血が多いなど)、不妊症、骨粗鬆症、病的骨折など

専門の診療科は?

不妊治療専門のクリニック

男性の場合
泌尿器科
女性の場合
婦人科(女性外来)

気を付けることは?

症状が非特異的(特有の症状がない)なので、気づかれにくいことがあります。症状に気づいてホルモン補充を開始することで、つらい症状が軽減される可能性があるため、まずはこういった病気があることを知っておくことが大切です。 女性の場合、骨粗鬆症の予防にはホルモン補充の他に、バランスの良い食生活や適度な運動も重要です。