先輩からのメッセージ MESSAGE

MESSAGE - 01
ひとりひとりのキャリアや、
やりたいことに合わせた研修
サポートします
小児アレルギー科 貴達 俊徳
豊富な症例数に恵まれた小児病

私は小児科の後期研修を茨城県立こども病院で行い、その後、日本に2箇所あるアレルギー疾患拠点病院である相模原病院でアレルギーの研修を受け、また水戸の地に戻ってまいりました。

現在は茨城県立こども病院と隣接する水戸済生会総合病院のどちらでも働きながら、相模原病院で学んできた世界標準のアレルギー診療を茨城県央・県北地域に広めるため、必死に取り組んでいます。

例えば、食物アレルギーは血液検査や皮膚検査だけでは正確な診断はできません。アレルギーが疑われる食品を実際に病院で食べて症状が出るか確認する「食物経口負荷試験」という検査をするのが世界標準のアレルギー診療となります。

茨城県県央・県北地域で食物経口負荷試験を実施できる施設はまだまだ少ないです。食物経口負荷試験ができない結果、必要な食品の除去が実施されてしまっているのが現状です。

水戸に帰って来て2年間、急いで体制を整え、2021年度は200件程度、2022年度は500件程度の食物経口負荷試験を実施できる予定です。それでも、アレルギーの患者さんは増えており、まだまだ足りません。2023年度以降も件数を増やしていく予定です。症例数が足りないということは起こりません。アレルギー分野については責任を持って指導させていただきます。また、他の分野についても、当院は茨城県県央・県北地域の小児医療の最後の砦を担っていますので、軽症から重症まで様々な症例が来ます。幅広く豊富な症例数をぜひ経験して、成長していって欲しいと思います。

一人前の小児科医へ成長を促すサポート体

当院には医療教育部が設置されており、レジデントが一人前になるまでのサポートをしています。具体的には論文指導や症例レポートのチェックなど小児科専門医試験を受けるまでの豊富な指導実績があり、1人1人の個性に合わせ、個別に指導を行っています。

また、当院の特色として、小児超音波診断・研修センターを設置している点が挙げられます。「研修センター」という名前がついているように、当院では小児超音波教育に力を入れています。当院の後期研修プログラム中、3か月は超音波室に配属となり、指導医のチェックの元、ファーストタッチで超音波検査をしてもらいます。その期間中、病棟の仕事はせず、ひたすら超音波と向き合ってもらいます。当院の超音波検査数は月300件ほどで、3か月間合計で1000件程度を自ら当ててもらいます。他の病院では絶対にできないプログラムだと思っています。その理由としては浅井小児超音波診断・研修センター長をはじめとする指導医達の圧倒的経験数に基づいた指導と、被曝のない超音波検査でいかに決着をつけるかという当院の文化に裏付けされているからこそできていることだからです。後期研修医以外にも全国各地からどうしても超音波を学びたいと志高く研修に来ている小児科医達がいます。ぜひモチベーション高いメンバー達と作り上げている雰囲気を見学に来た際には感じてもらいたいと思います。

その他にも各専門家医師によるレジデントレクチャーを週2-3回程度実施しています。循環器、新生児、集中治療、感染症、アレルギーなどなど、各専門家が満遍なく存在している当院の特徴となっています。最前線で子ども達の治療にあたっている小児科医達の話を聞けるのは、貴重な機会だと思っています。今後も現在いるレジデント達の希望を聞きながら、小児外科疾患や脳外科疾患などのレジデントレクチャーを充実させていきたいと思っています。また、小児科専門医試験受験のための勉強会を実施したり、腹部エコーや心エコーの勉強会も実施しており、幅広く「なんでも診れる小児科医」に育ってもらうために精一杯協力させていただきます。

小児科は決めた、でも、その後は
皆さんはこの後数十年の医師人生があります。小児科を決めても小児科レジデントの時間は3-4年。その後の方がずーっと長いんです。初期研修医はよく言います。「小児科は決めたけど、その先までは決まってない、どうしよう。」大丈夫です、安心してください。決まっていないことの方が多いです。人生を子どもを診ることに使いたい。それだけ決まれば小児科を選択することは全く間違っていません。じゃあいつ決めるのか、後期研修で回っているうちに決めるんです。当院には小児科の中で各専門家が揃っています。興味がある専門分野の話をすぐ聞くことができます。その環境は小児科を選んだ後の人生を考えた時にとても重要なことです。将来を相談できる人がその病院にいるかどうかということも後期研修先の病院を選ぶ際の参考にしてほしいと思います。
6年前と今の茨城県立こども病院は違う
私が後期研修をスタートしたのは2016年の4月。この記事を書いている6年前です。その時からレジデントは定期的に毎年3-4人入るようになり、指導医の先生達も他の病院から集まり、徐々に医師数は増え、充実した体制を築き上げつつあり、より活気のある病院へ変化してきています。
今の茨城県立こども病院は従来の体制からの変革期です。私は今後の茨城県立こども病院の将来に希望を持ちながら、毎日「ワクワク」しながら働いています。小児科医として少し先を歩いている先輩として、ロールモデルとなるような面白い人生突き進むのが役割だと思っています。ぜひ見学に来た際などは声をかけてもらえたらと思います。
都内の有名病院や大学病院で研修しないと心配

都内の有名病院や大学病院で研修した方がいいのかな、そう思っている人も多いと思います。そう考えている方にお伝えしたいことは、「茨城県立こども病院を選択して可能性が狭められることは1つもない」ということです。まず、症例の豊富さについては問題ありません、各専門家達もきちんと配置されています。小児科専門医になるためのサポートについてもどこにも負けないくらいのサポートをしている自信がありますし、博士号を取ろうとした時にも取ることができます。小児科専門医を取得後に、各専門領域のさらなる研鑽のために国内留学をすることもできます。海外への留学についてもサポートしてくれると医療教育部の先生方はおっしゃっています。県立病院ですので、給料についても外勤などをしなくてもきちんと保証されています。私自身、今から後期研修を選べるとしても茨城県立こども病院を選びます。むしろ、自分が後期研修を選ぶ時より今の方がより充実した体制が整っています。都内の有名病院や大学病院で研修をしたというブランド力、安心感はあると思います。ただ、力がつくかどうかは全く別の話です。当院ほどの手厚いフォローができる有名病院や大学病院はないと思っています。

ではなぜ、当院では手厚いサポートをしているのか。それは皆さんに小児科医の少ない茨城県で、即戦力として働いてほしい、そして、もし気に入ってくれれば、将来的にも茨城県に残って小児科医として働いてほしいと思っているからです。優しさだけではなく、切実に皆様に育ってもらう必要があるのです。だから、こちらも全力で向き合わさせていただきます。

当院の小児科研修のスローガンは「どんな病気にでも対応できる小児科医を目指そう -プライマリーから高度医療まで全ての小児疾患を扱う病院で-」です。私達のプログラムはそういった小児科医が育つように作り上げています。今後もこのスローガンを叶えられるように尽力していきます。ご興味を持った方は一度見学に来ていただければと思います。