小児循環器科研修について CARDIOLOGY

指導医 林医師インタビュー

01 高度な医療を提供しています

茨城県立こども病院の特徴は、「地域に密着した小児専門病院」であることだと思います。当院はお子様の風邪や胃腸炎などいわゆるコモンディジーズから、造血細胞移植や心臓手術などの高度医療まで提供し、さらに24時間365日、1次から3次まですべての小児救急患者を受け入れています。これから小児科医を目指すのであれば、研修の場としてはもってこいだと思っています。数多くの症例が当院に集約されてきますので、診療が忙しくなり、大変な面もありますが、その分幅広く、多くの経験を積むことができます。

02 実践で役立つ知識を網羅することができます

当科では小児循環器領域疾患の診療をほぼ全てカバーしています。循環器科の研修中に診療に必要な心電図判読、心エコー手技をはじめ、先天性心疾患の診断や循環動態の管理など、実践で役立つ知識を身につけることができます。専攻医は循環器チームの一員となり、様々な入院症例の担当医になってもらいます。心臓カテーテル検査や治療では、術者の一人として実際に手を動かしてもらいます。

03 専攻医の意見を尊重し、サポートします

私たち指導医は、専攻医の意見を尊重して、常に見守るような立場でいたいと思っています。
自分もそうだったのですが、一部の診療はパターンを覚えて慣れてしまえば、大体のことはこなせる気になってしまいます。しかし専攻医の皆には診療に慣れてほしくはない。なぜならば患者の背景は一人ひとり違うし、複雑な病態に直面することも多く、正解がない、あるいは正解が一つではない場合も多い。たくさん勉強してもらい、回診の場やベッドサイドで自分の意見を述べてもらって、チームの中で話し合って治療の方針や、考え方について導いていく。そのような教育を心がけています。

04 コミュニケーションを大切に、連携をとっています

当院は小児専門病院として多分野の専門家が一緒にになって診療しています。高度医療や複雑な疾患を診療することも多く、その場合はとくにコミュニケーションを大切にしています。小児科内だけでなく、他診療科との関わりも重要で、看護師、コメディカルに限らず、すべてのスタッフとしっかりコミュニケーションを取っていかないとうまく業務が進まないところもありますので、専攻医に求められる能力の一つだと思います。

05 当院を目指す医師にメッセージ

私は循環器の分単位で病態が変わっていき、治療を開始すればすぐに結果に現れる、急性期の診療にひかれ、この道に進みました。また心臓の発生や、形態、血行動態などを考えることがとても楽しく、まったく飽きません!小児循環器の世界は本当に奥深く、面白いと感じています。ですから専攻医の先生には、できれば小児科の中でも循環器科を専門に選んでほしいと思っています。他の分野を選んだとしても、心臓に対する知識をしっかり持った小児科医になってほしいと思っています。ぜひ当院で、一緒に楽しく忙しい毎日を過ごしましょう。

林 立申 LIN LISHENG
所属
小児専門診療部副部長(小児循環器科)
(兼任)筑波大学医学医療系准教授
専門分野
小児循環器
資格・所属学会等
医学博士 筑波大学
小児科学会 小児科専門医、小児科指導医
小児循環器学会 小児循環器専門医
胎児心臓病学会 胎児心エコー認証医