小児泌尿器科

診療科の特色

小児泌尿器科では、腎・尿路・生殖器に関わる先天性疾患を中心に、お子さんの成長発達を見据え、機能の回復と将来の機能障害の予防を目指した診療を行っています。治療の中心となるのは、臓器や機能の温存を重視した再建外科であり、成人領域とは異なる、小児ならではの繊細な治療が求められます。

当院では、小児泌尿器科と小児外科が密接に連携し、診療にあたっています。年間500~600件の小児外科手術のうち約150件を小児泌尿器科手術や検査が占めており、幅広い疾患に対応しています。小児では専門的な検査や処置についても、必要に応じて麻酔下で安全性に配慮して実施しています。手術手技や器具の工夫に加え、周術期管理の改善にも取り組み、お子さんはもちろん、ご家族にとっても負担の少ない医療を目指しています。

当科では、腹腔鏡・後腹膜鏡手術に加え、小切開手術も含め、「小さな傷で、大きな回復を目指す」低侵襲治療(MIS)を重視しています。年齢や疾患に応じて最適な術式を選択し、創部の整容性、術後疼痛の軽減、早期回復、入院期間短縮につなげるよう努めています。これは成長段階のお子さんの身体的・心理的負担のみならず、それを支えるご家族の負担軽減にもつながると考えています。

新しい技術についても慎重に導入し、安全性を検証しながら低侵襲性との両立を目指しています。とくに後腹膜鏡手術は、お子さんにとって傷が目立ちにくいなど整容面にも配慮できる術式として、適応を見極めながら取り入れています。

小児専門病院として、多職種と連携しながら、お子さんが安心して受診できる、小児病院ならではの環境づくりを大切にし、成長や将来を見据えた診療を行っています。

一般的な小児泌尿器疾患に加え、先天異常や複雑な治療を要する症例にも対応しており、治療方針に悩まれる場合のご相談にも応じています。専門的な対応を必要とするお子さんに対して、適切な治療を提供できる体制を整えています。

また、日本内視鏡外科学会技術認定医(小児外科部門)を擁し、高度な内視鏡外科手術にも安全に取り組んでいます。加えて、将来の小児外科・小児泌尿器診療を担う人材育成にも力を入れ、診療と教育が相互に高め合う環境のもと、質の高い医療の提供を目指しています。

対象疾患

  • 腎・副腎
    嚢胞性腎疾患、融合腎 (馬蹄腎など)、腎腫瘍、副腎腫瘍など
  • 尿管
    水腎症 (腎盂尿管移行部通過障害など)、巨大尿管・水尿管症(尿管膀胱移行部通過障害など)、重複腎盂尿管、尿管異所開口、尿管瘤、尿管結石など
  • 膀胱
    膀胱尿管逆流、膀胱憩室、膀胱外反、総排泄腔外反、尿膜管遺残、神経因性膀胱、膀胱腫瘍など
  • 尿道
    尿道下裂、尿道上裂、後部尿道弁、尿道憩室、尿道狭窄、重複尿道、前立腺小室嚢胞、尿道脱など
  • 精巣・陰嚢
    停留精巣、移動性精巣、精巣腫瘍、陰嚢水腫、急性陰嚢 (精巣捻転・精巣上体炎など)、二分陰嚢など
  • 陰茎
    包茎、埋没陰茎、傍外尿道口嚢腫など
  • 卵巣・子宮・膣
    卵巣嚢腫、卵巣腫瘍、尿生殖洞異常、総排泄腔遺残症、総排泄腔外反症、MRKH症候群、膣欠損・膣閉鎖、処女膜閉鎖、陰唇癒合など
  • その他
    尿路感染症、排尿障害、昼間尿失禁、夜尿症、血尿、性分化異常、後腹膜腫瘍など

手術・治療情報データベース事業(NCD)に参加について

当科は、 一般社団法人National Clinical Database(NCD)が実施するデータベース事業に参加しています。

この事業は、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目指すプロジェクトです。

この法人における事業を通じて、患者さんにより適切な医療を提供するための医師の適正配置が検討できるだけでなく、当科が患者さんに最善の医療を提供するための参考となる情報を得ることができます。何卒趣旨をご理解の上、ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

本事業への参加に関してご質問がある場合は、当科のスタッフにお伝えください。また、より詳細な情報は下記に掲載されていますので、そちらもご覧ください。

一般社団法人National Clinical Database(NCD)ホームページ