診療科の特色
2019年度に小児整形外科が開設されました。当科ではこどもの運動器(四肢、脊椎脊髄、末梢神経)の病気や怪我を扱っています。先天性疾患もあれば、幼小児期に生じる疾患もありますし、発育期スポーツ障害も担当する、小児期の総合診療における必須の診療科です。
高齢者の「ロコモーティブシンドローム(ロコモ)」という言葉をご存じの方は多いかもしれませんが、最近では小児期のロコモと更年期のロコモとの関係にも注目が集まるようになり、学校保健安全法の一部改正を受けて、2016年から学校健診において運動器の評価が必須になりました。 小児期の移動能力改善は大人になってからの移動能力に直結しますので、生涯のADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)の向上に寄与します。子どもたちの10年後、20年後、50年後の生活を見越した医療を提供いたします。
当科では、骨折などの四肢外傷に対して、当院の小児総合診療科や隣接する水戸済生会総合病院整形外科と緊密に連携し、保存療法から外科的手術まで幅広く対応しています。
また、以下のような専門性の高い小児の先天性疾患や運動器疾患にも積極的に取り組んでいます。
先天性内反足: Ponseti(ポンセティ)法を導入し、生後早期からのギプス療法を行っています。
発育性股関節形成不全症(先天性股関節脱臼): 近隣施設からご紹介いただく二次検診において、超音波(エコー)を用いた詳細な検診を行い、早期発見に努めています。脱臼している患児に対しては、保存療法から手術治療まで一貫した治療を行います。
二分脊椎外来: 小児外科、小児泌尿器科、小児脳神経外科、リハビリテーション科と協力し、複数科による総合的な診察を行っています。
脳性麻痺・痙縮(筋肉のつっぱり): 痙縮のある患者さんに対し、リハビリテーションや装具療法の指導を行っています。痙縮が強い場合は、リハビリテーション科や脳神経外科と連携し、ボツリヌス療法やバクロフェン髄注療法(ITB療法)を行います。また、局所的な痙縮が強い患者さんに対しては、整形外科的選択的痙縮コントロール手術(OSSCS)も行っています。
脚長差(足の長さの左右差): 四肢の片側肥大症などによる脚長差に対して、骨の成長を調整する成長軟骨発育抑制術などを行っています。
足の変形: 多趾症や合趾症に対する形成手術、小児の外反母趾手術、扁平足に対する距骨下関節制動術などを行っています。
さらに、一般の病院とは異なり、専門的なリハビリテーションを必要とするお子さんに対して、中長期のリハビリテーション入院を積極的に受け入れているのも当院の大きな特徴です。
主な対象疾患
- 骨折などの四肢外傷
- 発育性股関節形成不全症(先天性股関節脱臼)
- 先天性内反足
- 先天性筋性斜頚
- ペルテス病
- 大腿骨頭すべり症
- 脊柱側弯症
- 脳性麻痺(痙縮に対する治療を含む)
- 二分脊椎症
- 四肢の先天奇形(多趾症、合趾症、片側肥大症などによる脚長差)
- 足の変形(外反母趾、扁平足など)
- 発育期スポーツ障害
- 運動器検診からの紹介(二次検診) など
手術・治療情報データベース事業の参加について
当科は、日本整形外科学会および日本小児整形外科学会が実施するデータベース事業に参加しています。特に、日本小児整形外科学会のデータベース事業では、小児整形外科疾患の発症数、患者動向などの疫学データ、診断・治療に関するデータを収集し、その解析結果から各疾患の原因究明、治療法の検討・開発など、小児の健康・福祉の向上に貢献することが目的となっています。
趣旨をご理解の上、ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。 本事業への参加に関してご質問がある場合は、当科のスタッフにお伝えください。また、より詳細な情報は下記に掲載されていますので、そちらもご覧ください。
