MantelーHaenszel検定
Mantel-Haenszel検定は、よく文献でみられる。
文献を読む段階では、理解するのはそれほど難しくはないが、実際に
適応するとなると難しいかもしれない。まず、Mantel-Haenszel検定にはいろいろな種類がある。
勉強不足なため、私も十分理解できていない。
文献で最もよくみられるのは、2x2分割表での交絡因子除去を目的としたものであろう。
同様に、生命表での層別解析にも利用されることが多い。
あまり知られていないのは、1:mのマッチドケースコントロールスタディでの
利用だろうか。以下、交絡因子除去のための利用法を中心に解説する。
1) 交絡因子除去のためのMantel-Haenszel検定
Mantel-Haenszel検定は、2x2分割表において交絡因子除去を目的に
用いられることが多い。例えば、未熟児でデカドロン使用者と慢性肺疾患の発生の関係で下表の
ような関係がみられたとする。
デカドロン使用 デカドロン非使用 慢性肺疾患あり 29 58 慢性肺疾患なし 224 209 ところが、男女で慢性肺疾患の発生率に差があり、デカドロン
使用群と非使用群の男女の比率がかなり異なっていると、
それが結果に影響を及ぼす可能性がある。男女別々に検定
してもよいが、症例が少なくなってしまう。そこで、性別の影響
を補正して調べたい。そのような場合に用いられるのがMantel-
Haenszel検定である。
また、いろいろな研究結果を組み合わせて検討(メタアナリシス)
したい場合にも用いられる。
ただなんでも層別にすればよいかというと、関係のない因子を層別
するとかえって差が出にくくなることがある。層別化の前提として、
各層での発病率に一定の差があることが必要である。
各層での共通オッズ比が一定であることの検定として、Breslow-Day
検定がある。ところで、Mantel-Haenszel検定にも検定と推定がある。
検定は、Mantel-Haenszel χ2値から有意確率を求める方法である。一方推定は、共通オッズ比や共通リスク比の推定値と、その信頼区間
を求める方法である。SPSSでは、Mantel-Haenszel検定と、共通オッズ比およびその95%
信頼区間、Breslow-Day検定などが可能である(SPSSを使った統計法を
参照)。2) 2x2分割表でのMantel-Haenszel検定
2x2分割表では、いわゆるχ2検定がおこなわれることが多いが、時に
Mantel-Haenszel χ2検定を用いた文献もみられる。2x2分割表での、χ2統計量に比べるとMantel-Haenszel χ2統計量は、
やや小さい値になる(P値は大きくなる)。3) 傾向性の検定(test for trend)
傾向性の検定は、最近文献でよくみられるが、詳しく解説した書は少ないようだ。
疾患の発症率と順序関係のある因子の間に直線的関係があるかをみる時に
用いられる。例えば、未熟児網膜症の発症率と治療(酸素使用なし、酸素使用あり、
ネーザルCPAP使用、人工呼吸管理)の間に直線的関係があるかどうかを
みるような場合である。直線的関係があった場合に、それぞれの因子間の
影響の程度はCox回帰分析やロジスティック回帰分析で求める。傾向性の検定には、拡張Mantel検定、Cochran-Armitage検定、Poisson
傾向性検定などがある。分布型が異なり、それぞれ超幾何分布、2項分布、
Poisson分布が対応する。