
正規分布と等分散の説明はこちら
1)独立2群と関連2群の差の検定の違い
独立2群:例えばA群とB群の収縮期血圧に差があるかを検定する場合で、A群とB群はすべて別人である。この中に2標本t検定、Welch法、Mann-Whiteney検定がある。
関連2群:例えば10人の児でドーパミン投与前後の血圧の差を検定するような場合。
この中に一標本t検定、Wilcoxon符号付き順位和検定がある。
2)誤った使い方
1)両者の使い分けはそれほど難しいことではないが、例えば日齢1と日齢2の血圧を比較する場合に、一標本t検定を用いれば問題はないが、日齢1と2のサンプルの中に同一のものと、そうでないものが混在しておりそれを二標本t検定で処理するのはあまり好ましくないと思われる。
2)A群とB群間のヘモグロビン差を比較するような場合に、同一群に同一人のサンプルが複数含まれているような場合に二標本t検定を行うのも誤り。
3)A群、B群、C群の血圧を比較する場合にすべての組み合わせに2標本t検定を行ってはならない。3群以上の比較は、一元配置分散分析を行う。
4)ある群の日齢0、1、2の血圧を比較する場合、やはりすべての組み合わせにt検定を行ってはならない。まず、対応のある一元配置分散分析を行う。
5)A群とB群の日齢0,1、2の血圧を比較する場合も日齢毎に二標本t検定を行ってはならない。この場合は対応のある二元配置分散分析を行う。
パラメトリックとノンパラメトリックの使い分け
両者の使い分けは厳密にいうと結構面倒である。こちらを参照。
明らかな誤りは、順序尺度(軽症、中等症、重症など)を点数化したものをパラメトリック検定を適応することである。例えば、アプガースコアも順序尺度であり、多くの場合正規分布もしていない。これは本来ノンパラメトリック法を用いるべきである。
welch法か2標本t検定か
1)等分散の検定をしてみる。
2)サンプル数がほぼ等しければ、2標本t検定を用いても問題にはならない(サンプル数の比が1.5以下という者もいる)
<Instatを用いた2群間の検定>
Instatは、難しい検定はできないが基本的な検定についてはとても使いやすいソフトと思われる。
以下にUnpaired t testの例を挙げてみる。
1)まず、比較した項目を選択する。
平均の比較、回帰分析か相関分析か、分割表かを選択する。
平均の比較の場合、右表にあるような検定法が可能である。
データ入力は、生データでも平均、SD(またはSE)、サンプル数でもよい。
2)例として、男女別の数値比較をしてみる。もちろん対応はない。
3)データのまとめを見る。
平均、SD,SEM、95%信頼区間、正規性の検定と結果が表示される。
両群とも正規性の検定をパスしているので、t検定を行う。
なお、このソフトではサンプル数が5個以上ないとKS(Kolmogorov and Smirnov)法が施行できない。
4) unpaired test で、等分散と仮定し、一標本t検定を選択する。
5)結果表示
P値は0.0079で非常に有意。
次に平均の差の95%信頼区間表示
そして、等分散かどうかのテストでふたつのSDの差は有意でないので等分散とみなす。
最後に正規性の検定結果で、両群とも正規性のテストをパスしている。