区間推定
統計学的手法には検定と推定の2種類がある。
検定とは、帰無仮説をたてP値を求めて、有意差を検討する方法。
推定とは、確からしい値を標本から導く方法で、点推定と区間推定がある。
ある標本より母集団の平均や分散を推定することができる.平均値の最もありそうな値を決めるのが点推定であり、平均がある確率で存在する範囲を決めるのが区間推定である.95%で存在する場合95%信頼区間というが90%信頼区間も利用される.信頼区間の上限と下限を信頼限界という.
区間推定や信頼区間を理解するには、少なくとも母集団と標本の概念を理解しておくことが重要と思われる。
信頼区間にはいろいろあるが、代表的なのは母比率、母比率の差、平均値、平均値の差(対応ありと対応なし)である。また、ロジスティック回帰分析やコックス回帰分析ではオッズ比及びハザード比の95%信頼区間が記載されることが多い。
1.母比率の区間推定
例 ある薬で100人のうち40人が副作用がみられた場合の、副作用発生率(p)を95%信頼区間で示す。
0.30 < P < 0.50となる。
(統計ソフトで簡単に計算可能)
2.母比率の差の区間推定
2群の差の95%信頼区間を求め、それが0をまたいでいなければP<0.05で有意差ありと同じ意味になる。99%信頼区間ではp<0.01の有意差と同じ意味である。
治療法 生存 死亡 合計 A 65 48 113 B 30 65 95
0.14〜0.4
(同じく、統計ソフトで簡単に計算可能)
3.母平均の区間推定
母分散が既知の場合には
平均±1.96*SEMであるが、母分散が未知の場合には自由度N-1のt分布が必要になる。
4.母平均の差の区間推定
対応のある場合とない場合で異なる。
差の95%信頼区間が0をまたいでいなければp<0.05で有意差ありと同じ意味になる。
平均値の差の信頼区間は統計ソフトで簡単に求められるので省略する.
なお、ロジスティック回帰分析におけるオッズ比の95%信頼区間は1をまたいでいなければP<0.05で有意差ありと同じ意味である。2つの比率や相対危険度、オッズ比の95%信頼区間の計算は、InStatなどで計算できる。
<95%区間推定のまとめ>
1)母平均:母平均が
2)母平均の差:0を含まなければ、P<0.05と同じ意味
3)比率
4)リスク比:1を含まなければ、P<0.05と同じ意味
5)比率の差:0を含まなければ、P<0.05と同じ意味
6)オッズ比:1を含まなければ、P<0.05と同じ意味
7)ハザード比:1を含まなければ、P<0.05と同じ意味
2群の比較では、”差”は0を含まなければP<0.05と同じ意味で、”比”の場合には、1を含まなければP<0.05と同じ意味となる。
最近の統計データのまとめ方としては、平均と95%CI、P値、差やリスク比の95%CIを記載されていることが多い。つまり、
検定と推定の結果を記載するのが親切である。なお、母平均や母平均の差はパラメトリックデータで利用可能である。